単純労働者的思考プロセス

2021/10/08
庄です、

僕らは頭で考えている以上に、
怖いくらいに情報を「素通り」しています。

習ったこと、聞いたことを
「メモ」していたけれど…

あれ、なんのことだったかな
なんてことはよくあります。

セッションやセミナーでは
講師の先生から発せられる言葉は、

できるだけ、一字一句
内容を書き漏らさないように
メモを取っています。

話の前後の文脈がないと
本質やポイントが理解できないのと、

あとで見返した時に
実は大切なポイントは、

書き漏らしていた部分だった
ということがあったからです。

そうでもしないと
なかなか理解できないのです。

というのは、
ちょっと前の僕であって、

いまは過去に聞いた内容の話し
類似する話しはポイントだけ絞ってメモします。

今回は、
「抽象化思考」についてお話します。

「抽象的」とか「具体的」とか
ということは聞いたことがあると思います。

言葉だけを捉えると
難しく聞こえちゃうんですが、

カメラを例にすると
分かりやすいのです。

なにやら穴が2つある

ピントをだんだんと
ズームアウト(引き離して)していくと

それは人の鼻だったみたいなw

この場合の

具体的は「鼻」であって
抽象的は「顔」です。

”木を見て森を見ず”

ということわざもありますが

意味は、
小さいことに心を奪われて、
全体を見通さないことのたとえです。

「木」が具体的で、「森」が抽象的です。

「部分」と「全体」
「詳細」と「概略」

とも置き換えられます。

僕たちは日常でも、
「具体」と「抽象」を交互に
行き来して思考していますよね。

実は、
      、、 
使っている「言葉」の意味も、

「具体」と「抽象」を使っています。

例えば、

外にいると、
空からポツポツと水が落ちてくる。

大きい粒もあれば、小さい粒もあって
大きさはまばらで、成分も微妙にちがう。

これらが空から落ちてくる。

それをいちいち細かく名付けていたら
埒(らち)があかないので、ひとまとめにして

「雨」

と呼ぶことで抽象化しています。

小学生の子どもが、好きなこと遊びに
行くことをお母さんに話すとき、

「たくやくんと出かけてくる」ではなくて

「お友達と出かけてくる」

と言うかもしれません。

これも、抽象化です。

そもそも、
ここで、「雨」という言葉や

「友達」という言葉を使ったように
抽象化によって言語が生まれている以上、

僕たちに抽象化能力が一切なければ、
思考や会話自体が全く成立しないです。

抽象化がなければ、僕らは文明を
一切形成し得なかったかもしれません。

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子どもの話は具体が多いので
文脈が長くなる
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大人が児童と会話をすると、
児童の会話は具体的なことが多くて、

意味を理解するのに
分かりにくかったりします。

たまにいますが、
大人でも会話をしていても

話が長くて何が言いたいのか
わかりにくい人もいますが…w

それは、
具体的すぎるからなんですよね。

先程お伝えした例も、
穴のことを話されても

ズームアウトしないと
顔の鼻の穴のことだと

受けては理解するのに
時間がかかります。

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分かりやすく伝えるには
ディレクトリー構造で考える
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服や下着ってどこにしまっていますか?

多くの人はタンスや
引き出しにしまていますよね。

パンツはパンツの引き出し
靴下は靴下の引き出し
シャツはシャツの引き出し

といった具合にしまっていると
思うのですが

知識や話のネタも
同じようにどんな分類なのか
ジャンルごとに脳にしまうことを

「ディレクトリー」といいます。

分類とか管理するという意味です。

「なんのこと」、「なんの話し」、

というのが、

分類しているから
すぐに取り出すことができるし

必要な時に使える知識となります。

で、この分類するのに

『言葉の抽象化が必要になります。』

抽象化ができるよになると
最初にお伝えした、メモの取り方も

ポイントだけを書いておけば
具体的なことは書けるようになります。

「抽象化」によって、
より効率的に生きたり

多くの発明を生み出したりと、
文明を進化させてきました。

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抽象化すると、それはなんのこと
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結構、身近である
コミュニケーションの事故に繋がるのが

具体的にフォーカスしすぎて、
目的を見失うことがあります。

上司からの指示で
「◯◯やっておいて」

会社員だとよくある
光景だと思いますが、

具体的思考プロセスだと
上司からの指示どおりに

「◯◯」をこなせばいいです。

けれど、実は指示には
上司からの見えない意図があります。

なぜそれをするか→目的
いつまでに終わらせるか→期限
どういう状態までこなすか→クオリティ

こういったことが、
指示の中には隠れています。

それを理解せずに
「はい、分かりました」とやっちゃうと

『事故ります』

あとで、上司から
こっぴどく怒られます。w

だから、
最初は分からなければ
上司に確認が必要です。

よくあるあるですね。

立場が変われば
見える世界が変わるのは

抽象度が高くなるからです。

上司と部下
経営者と会社員
親と子ども
先生と生徒

見える世界が変わると
いずれポジションも変わってきます。

もし、

あなたが単純労働者的プロセスで
「具体的」なことばかり考えているとしたら

少し、抽象度をあげて考えてみてください。

練習としては、
普段使っている言葉を

「できるだけ短く」かつ「相手に伝わる」

ようにしてみてください。

もちろん、
具体的にも伝わらないとなりません。

伝わるとは「行動させる」ことです。

1時間で話す会話を
1分でまとめて相手に要点を伝えるとか

それはなんのことに対して
一言で要約するとか

抽象度をあげて
全体像をみてなんのことか
伝えられるようになると

見える世界が変わってきます。


誰かが抽象化したルールを
ただ具体的に使いこなす
(単純労働者的思考プロセス)

のではなくて

具体の中から自分でルールを見つけ、
また別の具体にルールを適用し、

独自の視点でどんどん
新しい発見や発明知的創造をおこなう
(発明者的思考プロセス)のです。

そうすると、
あなたの見える世界がかわり
ポジションも変化していきます。

ぜひ試してみてください!


いつもありがとうございます。


庄 拓実